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2006年5月23日 (火)

スペイン旅行記4―ピカソのラス・メニナス(バルセロナ)

観光第1日はバルセロナ。ガウディの独創的な建築に溢れている華やかな都市という既成のイメージは全く裏切られることは無く、楽しい1日でした。それでも、バルセロナで何が一番印象に残ったかと問われれば、ピカソ美術館で見た10数点の絵でした。

プラド美術館の至宝と言われるベラスケスの「ラス・メニナス(官女たち)」を、ピカソが彼流の解釈で、実に44点も模写しているのですが、そのうちの14点が1室にまとめられて展示されており、とても興味深かった。一点一点に、それぞれ異なった、しかも大胆な変形ないしイメージの転換を行なっている。一見してベラスケスの原画と対比できるものから、どうしてこうなるの、というものまで。でもよく見ると、犬、少女、矮人(こびと)などが必ず見つけることができる。時間があれば何時までも見ていたい誘惑に駆られる。
このように、大画家が他の大画家の絵を模写することはよくあることで、自分流の解釈を提示したい、あるいは原画からの束縛から解放されたいという意思からだ、と、ある解説本には記されている。
ピカソの場合、この外に、ドラクロワの「アルジェの女」の模写連作が14点、マネの「草上の昼食」の模写連作が27点あるとのことで、これらを全部見てみると面白いのではないか、と考えるのだが、なかなか難しそう。私のコレクション癖が頭をもたげてしまった。
私だけかも知れないが、ピカソと言えば、理解の埒外の絵を書く人という印象を持っていたが、ラス・メニナスの連作はピカソのやろうとしていたことが分かるような気にしてくれ、今までよりぐんとピカソとの距離が近くなったように思えるのでした。
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ベラスケスのラス・メニナス(プラド美術館=原画)



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ピカソのラス・メニナス連作 第1作
(バルセロナ・ピカソ美術館)

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ピカソのラス・メニナス連作 ヴァリエーション1
(バルセロナ・ピカソ美術館)

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ピカソのラス・メニナス連作 ヴァリエーション2
(バルセロナ・ピカソ美術館)



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タイトルはピアノだが、明らかにラス・メニナスを
ベースにしている。(連作44点外のようである)
ベラスケスの最右端の矮人(こびと)がこのようにイメージ転換された。

さて、バルセロナと言えば、ガウディ。やはり触れねばなるまい。
バルセロナにはガウディの建築作品がどれだけあるのだろうか?今回見たのは、サクラダ・ファミリア聖堂、グエル公園、カサ・ミラの3つです。この内、後ろの二つが世界遺産。意外だったけれど、サグラダ・ファミリアは未完成の理由で登録されていない。
サグラダ・ファミリアは工事現場そのものである。1882年着工、今のところ2022年完工予定となっているようだが、30年はかかると言うのが一般的見方だとか。この日も観光客で溢れていたが、年間の入場料が10億円もあるので、工事が続行できるのだそうだ。自由時間に、完成している8本の鐘楼の一つにエレベータと階段で登って見た。絶景と言うほかなし。完成時には鐘楼が18本になると言うから、凄いだろうな。
鐘楼から降りてきたところで、髭面の芸術家風の日本人とばったり会ったが、添乗員が親しそうに握手し、我々に紹介してくれた。この工事で従事している彫刻家二人のうちの一人、外尾氏(福岡出身)だとのこと。とても嬉しい気分になる。

全く知らなかったけれど、ガウディと同時代の建築家ドメネクの「カタルーニア音楽堂」と「サン・パウ病院」も世界遺産なのです。このうち、カタルーニア音楽堂を自由時間に見に行ったが、これは本当に凄い、筆舌に尽くしがたいほど美しい。19世紀末モデルニスモ建築の最高傑作というのも分かるような気がする。

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サグラダ・ファミリアの鐘楼の一つに登る



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グエル公園の最大の人気者トカゲの噴水


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カタルーニア音楽堂内部
外観も同様に美しい



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カサ・ミラ
最上階はガウディ建築に関する博物館で屋上も見学できる
この隣の隣にあるレストランにて昼食

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