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2006年5月21日 (日)

スペイン旅行記3―トレドの風景

5月12日夜から14日朝までトレドに滞在しました。
トレドの魅力は何と言ってもよく保存された中世の街並みであり、とりわけその遠景の美しさでしよう。トレドの街は三方をタホ川に囲まれた狭い丘の上にぎっしりと詰め込まれていて、タホ川の対岸の高台から見ると正に絶景なのです。どんなガイドブックにもこの写真は載っているから、誰でも一度は見ていることと思います。どの角度から見ても素敵だけれど、アルカサルを右側に、大聖堂を左側にした配置が、定番でしょう。

この街で後半生を過ごしたエル・グレコがこの風景を描いていることは前から知っていたけれど、つぶさに見た事は無かった。私の朝日美術鑑賞講座には3枚のエル・グレコが掲載されており、その1枚がメトロポリタン美術館所蔵の「トレドの風景」でした。そして今回、トレドのエル・グレコの家でもうひとつの「トレドの景観と地図」を実際に見ることが出来ました。この2枚は一見驚くほど異なっているように思えるけれど、じっくり眺めると両方とも、ドールスの言うようにエル・グレコ独特の飛翔するフォルム、音楽の世界を髣髴とさせる画風ですね。
メトロポリタンの方は、神の声として雷鳴・雷光を描こうとしていると解説にもあり、凄みを感じる絵です。グレコの家の方は、トレドの市街図を手に持つグレコの息子や、タホ川の水源としての女神が描かれていたりして、親しみの持てる絵であると感じた。

エル・グレコがこれらの絵を制作した背景には、トレドをスペインの首都に返り咲かせたいという地元の強い熱意があったとされる。
トレドは11世紀から500年間、カスティーリア王国の首都、ならびにスペイン・カトリックの総本山所在地であったが、スペインの版図拡大に伴い1561年に首都をマドリッドに譲ったのです。

快晴の朝10時、ホテルを出発。迷路のような旧市街を歩いて観光した。大聖堂とサント・トメ教会が目玉である。エル・グレコの最高傑作は「オルガス伯の埋葬」とされているが、これがサント・トメ教会にあるのです。1332年にこの教会で行なわれたオルガス伯の葬儀の最中に起きた奇跡を描いた作品で、絵の構想がやはりとても素晴らしかった。

午後の自由時間に、列車型のミニ観光バス「ソコトレンZocotren」に乗った。狭くて曲がりくねった、急な坂もある旧市街の内部、外回りを40分で周ってくれる。
観光するというより、危なっかしさを楽しむ遊園地的乗り物で、久しぶりに童心に返る。途中、トレド全景を見渡せる絶景ポイントを通ると、歓声が起こった。

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メトロ美術館所蔵「トレドの風景」


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グレコの家所蔵「トレドの景観と地図」


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私が撮影したトレドの風景


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エル・グレコの最高傑作
「オルガス伯の埋葬」

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