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2006年7月 8日 (土)

永遠の[あこがれの地」

スペイン旅行から帰って、約50日。余韻に浸る時期は過ぎ去ったかに思えるこの頃だけれど、まだ次の旅行先をどうするかまでは考える気持ちにはなれない。それでも、何人かの人から「次は?」と問われるし、年2回ぐらい行くとすればそろそろ予備検討ぐらいは始めるべきかもしれない。
これまでに利用した旅行社からは抜かりなく誘いのパンフレットが来るので、検討材料には事欠かない。その中に、とても興味を引かれるツアーがあった。「緑の魔境ギアナ高地」「ダーウィンの島ガラパゴス周遊」がそれである。この二つは、私にとって思い入れの強い場所である。秘境中の秘境だから自分が行くなんてことは永らく考えもしなかったが、今や、一般人を対象とした観光ツアーに組まれ、誰でも行けるようになったと言う事に驚きを禁じ得ません。

ギアナ高地は南米北東部の熱帯雨林の中に忽然と聳えるテーブル状の高地で、1000m以上の絶壁で隔絶された別世界です。コナン・ドイルはこの地から「失われた世界」を発想したとされる。子供の頃、いわゆる「魔境」物をワクワクしながら読んだが、そんな雰囲気の場所に違いないとずっと思っていた。それに、この高地の部分は古い古いゴンドワナ大陸塊の端くれであり、古生代、中生代の地層で出来ている。そんなこんなで、私の価値体系からするとロマンチシズムに溢れた土地なのです。
最近、テレビでも放映されたが、この高地から流れ落ちるアンヘル(エンジェル)滝は落差が979mと、東京タワーの3倍もあり、これを見るのがツアー目的の最重点になっているようだ。この滝を間近に見るためには、ベース地点から、船外エンジン付きボートで3時間急流を遡り、さらに密林の中を2時間歩いて登らねばならないとのことである。

一方、ガラパゴス諸島は言わずと知れた、ダーウインが進化論を思いつく端緒となった島です。南米エクアドルの海岸から1000Km離れた赤道直下の太平洋に浮かんでいる。
私は、生物進化論が大好きで若い頃からいろいろな本を読んで来たこともあり、その原点となった、ガラパゴスに興味を持たざるを得ない。
10年ほど前に、Jonathan Weiner「フインチの嘴(くちばし)」と言う本が出ました。ピューリツァ賞を受賞した名著です。Weiner夫妻が20年にわたり、ガラパゴス諸島のひとつDaphine Majorに住み着いて、ダーウインが見出したフィンチの変異を実地に検証した物語です。興味深いのは、厳しい気候変動が他所に行くことも出来ないフィンチ達に強い淘汰圧力となって、現在も「進化」が進行している事を詳しいデータで報告していることです。
従来、生物は確かに進化したが、それは過去のことで、現在進行形で見ることは不可能とされていたのです。この本には、ガラパゴス諸島の生物たちの挿絵がたくさん入っているけれど、それは全てWeiner夫人が描いたもので、夫婦の絆の強さを感じさせられ、この本の価値を更に高めているように思いました。
ツアーは豪華客船3連泊+サンタクルス島1泊となっている。私は、船酔いする方だからちょっと二の足を踏む感じ。

あきれたことに、この2箇所をいっぺんに周るツアーが販売されている。もし、私が行くとしてもそんなもったいないことはしないだろう。
さて、どうしたものか?誰でも行けるということは、もはや秘境ではないのか?
これまで心の裡に積み上げてきた私なりの秘境のイメージは壊したくないしなあ・・・
さすれば永遠に「あこがれの地」としておくか。

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