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2006年12月13日 (水)

インド旅行の印象その6(カジュラホ)

時系列的ではなく、印象の強かったところから書いて来た結果、たまたま仏教関係が続いた。ここらでヒンドゥー教の華麗な中世寺院があるカジュラホを取り上げよう。

カジュラホは、中部インドのチャンデッラ王朝の古都である。9世紀末~12世紀のヒンドゥー教を主体とした寺院が20ほど現存する。当時はこのそう広くもないエリアに85も寺院があったと言う。
寺院はいずれも高い基壇の上に建ち、平面は双十字形、屋根は小尖塔を多数積み重ねた高塔(シカラと言う)となっている。山のようなこの屋根が魅力的である。
内外の壁面を埋め尽くす神々、アプサラス(天女)、ミトゥナ(抱擁する男女)のおびただしい彫像は、ほっそりとして軽快で、その姿態は変化に富み、明るい官能性を持っている。
11世紀第四半期のカンダーリア・マハーデーヴァ寺院が最も壮大(高さ30.5m)で、外壁の彫像群も圧巻である。

その他の寺院では、デーヴィ・ジャクダンヘ寺院、ラクシュマナ寺院、ヴィシュワナータ寺院に見事な浮き彫りがある。
ガイドの説明はカンダーリア・マハーデーヴァ寺院のみで、後は自由見学となる。
ほとんど同じだとのガイドのコメントに、あまり真剣に見なかったが、現地で購入したインド考古学会(仮訳 Archaeological Survey of India/Goverment of India)発行の冊子を見ると、カンダーリアの作品紹介は少なく、むしろ、ラクシュマナ、ヴィシュワナータ寺院の作品紹介が多いのである。
カンダーリアには性行為に直結した、エロチック度の高いものが多く、観光客が喜ぶとでも思っているのだろうか?後で分かったことだが、芸術的にも価値のあるものを見逃したようで残念でならない。そういう意味ではしっかりした冊子は必ず購入すべきだと再認識した。

ここで、妹尾氏の「河童が覗いたインド」から引用をしよう。

《僕がカジュラホへ行ってきた、と聞いただけでニヤニヤ笑った人がいた・・・カジュラホを世界的に有名にしたエロチックな男女の合歓のミトゥナ像だが、実物を目の前にすると、乾いた美しさに先ず感動して、卑猥さなど全く感じない・・・ミトゥナ像はぎらぎらした太陽の光を浴び、青く澄み切った空を背景に、実にアッケラカンと、「性の歓喜」を謳いあげていた。》

全く同感です。

(参考)
インド共和国の現在の宗教別人口は、ヒンドゥー教徒81.3%、イスラーム教徒12%、キリスト教徒2.3%、スイク教徒1.9%、仏教徒・ジャイナ教徒ほか2.5%である。
多数の宗教が概して平和に混在しつつ、しかもそれぞれの文化や伝統をしっかり守っている・・・それがインドの多様さ、混沌感を生み出している要素かもしれない。

S_13 カンダーリア・マハーデーヴァ寺院




S0216_1S0217S0229S0237



これらは、カンダーリア・マハーデーヴァ寺院の外壁の彫像の一部である。右から2番目のものなど、日本では超有名であるが、考古学会発行の冊子には載っていないのですぞ!学術的、芸術的には価値ゼロ?(一番右の写真の右側の女性はアイシャドウを塗っているのが面白い)
考古学会冊子に載っているのは次のような写真。官能的ということで言えば、その埒外ではないが、美しさ=芸術を感じますよね。
Photo_111 Photo_112 Photo_113Photo_114











Photo_115 この冊子には屋根を構成するシカラ(Sikhara)の変遷も示している。4番目が最も複雑に発展したカンダーリャ寺院である。


S0227S0230ライオンとも違う得たいの知れない野獣
強烈なアクセント。
これも考古学会のには載っている。
 

S_20 カジュラホはヨーロッパからの観光客も多く、
空港もあるし、リゾート的雰囲気である。
こんなサリーの女性は実に健康的である。


S0196 カジュラホの夜は、インド舞踊を見に行った。
専用の劇場があり、イタリア人やフランス人の
グループと一緒になった。
マハーラーシュトラ州、パンジャブ州、ラジャスタン州などの民族舞踊が演じられた。手や体の動かし方が独特で優雅ではあるが、一方、動きがとても早い。想像していた踊りとはまるで違っていた。タブラーなどの打楽器とハーモニア、歌が入り、踊りを盛り上げていました。

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