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2006年12月23日 (土)

インド旅行の印象その11(デリー市内 続き)

デリー市内でもうひとつ世界遺産を見た。クトゥブ・ミナール。

前回も書きましたが、デリーが地理的・交通的な要所にあるため、西からの外来勢力、つまりイスラーム教徒の侵入を古くから受けてきた。
10世紀にはイスラーム圏はスペインからインド周辺までの広大な地域を勢力下に治めていて、ガズナ朝などは1000年から1025年の間に17回もインドを襲撃した。兵力は主としてトルコとアフガン人であったようだ。
その1世紀半後、ムハンマドはヒンドゥー連合軍を破り、北インド全体を占領したが、1206年に暗殺されてしまった。すると、その配下の武将で、奴隷からデリーの太守に出世したクトゥブ・アッディーン・アイバクが独立宣言し「奴隷王朝」のスルタンを名乗った。その息子と2代にわたり、北インドに帝国を築いた。
生きるか死ぬかの壮絶な戦いを続けて来たイスラーム兵に対し、当時のインド兵は戦争とは君主の気晴らしであり、決められたルールにより行なわれる競技であり、日没になれば武器を捨てるという人たちであったという。
クトゥブ・アッディーン・アイバクが征服後にまず実行したのが、それまで君臨していたヒンドゥー王朝の城砦や寺院の上にイスラームのモスクを建造することであった。
クトゥブ・ミナールにおいても、すぐそばのヒンドゥー寺院を破壊し、その石材を利用して、壮大なモスクが築かれた。遺跡に残されたペルシャ語の刻印によれば、1192年から96年にかけて建造されている。

実は、このような歴史についてはほとんど知らずに、現場を見たのでした。ガイドの若干の説明はほとんど耳に残らず、ただただ、モスクの廃墟と巨大なミナレットをぼんやりと眺めていました。そのため、モスク廃墟の重要なポイント、「持ち送り式のアーケード」を見過ごしてしまい心残りである。帰ってから点検してみると、写真には遠目に写っていることは写っているのでしたが。

さて、クトゥブ・ミナール遺跡の最大の見ものは世界で最も高い石製の塔である。72.5m。元は100mあったが、飛行機事故でこの高さに縮まったという。
クトゥブ・アッディーン・アイバクは彼の建てたモスクの南側に巨大な砂岩製のミナレットを建造した。祈りを呼びかけるためと言うミナレットの本来の目的から離れ、インドにおいてイスラームが最高であることを宣言するのが目的だったろう。そのことは、最下層に幅広く、アラビア文字のカリグラフィに花葉文を散りばめた装飾帯があり、コーランの言葉や歴史的銘文が刻まれていることから分かるのです。

0328_20336_3クトゥブ・ミナールとは通常、この塔を指す。
高さ72.5m、直径14.5m。世界で最も高い石の塔。
5層のうち、下層は赤砂岩、その上は大理石と砂岩で築かれている。
巨大さにただただ驚く。


 

0332_2 最下層の外壁に刻まれるコーランの装飾文字。



Photo_118S0335 ヒンドゥー教寺院を壊して造られたモスクはクッワト・アル・イスラームと名づけられた。その廃墟の中に何とか形をとどめていた持ち送り式アーケード。イスラーム圏で行なわれていた真正アーチ工法がとられている。ここでも、アラビア文字のカリグラフィと、葉状のアラベスク模様で飾られている。鉄柱は4世紀にヴィシュヌ寺院に奉納されたもので、戦勝記念としてここに移築された。(左の写真は岩波「インド美術」より。右が自分の写真)

デリー市内で見た他の観光スポットの写真を一応掲載しておこう。

0301 インド門。
第1次世界大戦で戦死したインド兵士の慰霊塔。高さ42m。
インド門の彼方に大統領官邸が霞んで見えた。


0300 デリー市内では歴史的なヒンドゥー教寺院は数少ない。
ラクシュミ・ナーラーヤン寺院。1932年大富豪ビルラによって建てられた。極彩色のオリッサ様式。ヴィシュヌ神とその妃ラクシュミー女神が中心的に祀られていた。

デリー市内のスナップです。
0986 デリーまで来てようやく象を見た。
有力な政治団体の集会があり、駆り出されたらしい。(車窓より)



03240325車窓から見たデリー市内。
オートリクシャーもデリーのはきれい。
道路の所々にスラムを見かける。


0990 0995
昼食のレストランは裏通り。日本食だった。 
街角にはインド式ファストフードもある。日本の屋台と変わらない?

Photo_119レストランの通りの奥の方はこんな風だった。

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