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2007年2月24日 (土)

トンチン年金...長生きリスクの対応

あるエコノミストが「トンチン年金」のような保険があってもいいと提案していた(2/19 日経新聞)。
トンチン年金そのものは、平凡社の百科辞典によると、
『17~18世紀のヨーロッパで広く行なわれたもののようだ。Lorenzo Tonti がフランス財政改善のために建策した年金制度だった。
国庫に資金を提供するものに対し、元利の支払いに代えて年金を与えるもので、出資者を年齢群ごとの集団に分け、集団の応募総額を元として利息額に相当する分をメンバーに年金として与える。集団構成員が死亡すると生存者にその分が分配される...集団の元金総額は変わらないから生存者は年々年金が増え...最後に残った一人は年金を独り占めできる!...その集団の全員が死亡した時点で出資金は国家のものとなる』

リタイアした老齢者にとって最大のリスクは、突然死ぬことでも、大病を患うことでもなく、思いがけずに健康で長生きしてしまうことなのだ。
早めに突然死ぬことは遺族に財産を多目に残す可能性が大ということであり、最も好ましいことかもしれない。病気にしたって、あるだけの貯金で対応するしかないのだ。高額の治療費をかけて1日でも長生きしたいとは思わないのではないか。医療保険に加入するのもあまり意味がないように思う。貯金を右から左に動かすようなものだ。
それに対して、思いがけずに長生きするかもしれないリスクは深刻だ。先ず計画が立ちにくい。70で死ぬのか、はたまた90まで生きるのか。さすれば、蓄えは温存せざるを得ない。その結果、元気なうちにやっておきたいことにも資金は回せない。

トンチン年金的な保険がもしできれば、少ない資金で長生きリスクに対応できそうに思える。早く死ぬ人はお金を寄付してくれるようなものだから。
そうすれば思い切ってお金を使っていろいろのことができるだろう。

ここまで書いたところで、今朝の日経にまた、トンチン年金のことが載っているのに気がついた。経済産業事務次官が大手保険会社に声をかけて回っているという。案外早く実現するかもしれない。

このような長生きリスクの問題と共に、日本の高齢者層には、死ぬ時にはできるだけ多くの資産を残すと言う考え方...これを「王朝仮説」というのだそうだ...が根付いていると言われる。いずれにしても、先の事務次官の動きは、滞っている高齢者の資産(タンス預金だけで20兆円ある)を経済活性化のために解き放ちたいがためのようだ。

S_38植物園の舟池。
春のような暖かい午後の陽射しの中で、屈託の無い鴨たちを眺めていると平和な気分になった。

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