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2007年2月28日 (水)

「横尾忠則70歳のY字路」を見て

2月23日のNHK「にんげんドキュメント」で、『老人宣言~横尾忠則70歳のY字路』が放映された。自ら老人宣言した上で新しい生き方、創作活動を模索して奮闘する氏の姿を捉えたドキュメントである。
私にとって横尾忠則はずっと、気になるアーティストだったから、この番組もとても興味深く見、70歳を超えても創作への意欲が全く衰えない姿に感動した。
私が横尾忠則の名を初めて知ったのは、サンタナのレコードのジャケットからだった。彼はサンタナのために2枚のレコードジャケットを製作している。「ロータスの伝説(1974)」と「アミーゴ(1976)」である。この時期のサンタナの演奏は「興奮と官能」という言葉が当てはまるが、ジャケットも見事なまでにその感覚を表現していた。

それ以来、時々本屋で彼の画集を覗いたりする様になったが、美しいし、面白いが、おどろおどろしたところもあり、時にはたじろぐこともあった。
そんな中で特に強烈なインパクトを受けたのは、「アンリ・ルソー《眠るジプシー》より(1967)」だ。ジプシー女をライオンが食べてしまうという禁断のモチーフである。1月17日付けのブログに書いたが、名古屋で開催されたルソー展で横尾忠則のこの絵に対面でき、改めて横尾というアーティストへの関心が湧いてきたところだった。
しかし、気にしながらも積極的にフォローはしていなかったので、ここ数年「Y字路」をモチーフとした創作に打ち込んでいることは知らなかった。「Y字路」とは!...なるほどピッタリかもしれない。

Y字路というのは、私自身のイメージでも特異なものです。同じ分岐点でも十字路はあっけらかんとして何も感じないが、Y字路は二股の先は何処へ行くのか妙に気になる。一寸した角度の差しかないから、どちらを選んでも良さそうだが、実際に何度も経験しているが、それぞれとんでもないところへ行ってしまう。そしてその分岐点の角にある建物は例外なく不思議な形をしていて、Y字路ごとの特徴を作り出している。全体に「得体の知れなさ」を感じさせます。

横尾忠則氏はY字路を作品にとりあげるに至った経緯について、次のように言っている。
『子供の頃よく通っていた郷里の模型店をある夜訪ねた。この店はY字路の鋭角部分にあったが、すでに壊されてまるで見知らぬ場所のように見えた。とりあえずその場所を写真に収めた。(中略)私物化していた想い出の場所はどこにでもあるただのY字路に変容してしまっていた。その時ぼくは「これだ」と思った。従来の作品はあまりにも私意識が強すぎた。個人的であり過ぎたのである。もっと普遍的な個であるべきだとこの時悟った。それ以後Y字路はぼくの重要な主題になった。 』

Y字路は彼に無限の想像力を湧き出させるようで、既に実に多くの「Y字路」のバリエーションを描いている。老人宣言をした今、楽しみながら創作に打ち込める格好のテーマのようだ。放送の中で見た製作中の大作には、Y字路の背後に昔懐かしい「怪人二十面相」の巨大な姿が描かれていた。このテーマに向き合うと童心に帰る事ができるのでしょう。

新しいY字路のモチーフを見つけるために全国津々浦々を回り、これからは外国も回るという。まだまだとんでもないバリエーションを我々も楽しめそうだ。

Y字路の絵とはどんなものかは、次のホームページで見ることが出来ます。
http://www.1101.com/yokoo_tamori/y_joro.html

Photo_156 SANTANA/AMIGOS(1976)のジャケット
「ロータスの伝説」の方は、最近、紙ジャケの復刻版が出たようなのでそのうち手に入れようと思っている。

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