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2007年3月27日 (火)

「パリ、ラ・クンパルシータ」...ポンピドー・センター所蔵品展から(続き)

前々回、ポンピドー・センター所蔵品展について唯我独尊的な感想を書いてしまったが、調子に乗って若干補完したい。
というのはどうしても気になる作品がもう一つあったのです。アントニ・ミラルダ、ベネ・ロッセル共同制作の「パリ、ラ・クンパルシータ(1973)」。これは、16mmカラー映像(動画、29分)作品である。
私が国立新美術館で実際にその映像を見たのは5分程度だった。銃を構えた兵士の玩具(等身大)がミニ・クーパーの屋根の上に固定されて、賑やかなパリの街を行く。貴金属店やスーパーの中からガラス越しに見え隠れするその姿をカメラが捉える。ただそれだけだが、どういうわけか強く惹きつけられるのです。
あるべきではないモノがそこにある違和感?本物の兵士でなく粘土でできた人形であることによる滑稽感?いや、やはり銃を持つ兵士であることによる緊張感が、最も大きい理由でしょう。
さらに、惹きつけられる原因のひとつは、バックに流れる音楽だ。私が見ていた時はオペラが流れていたが、タイトルのとおり、タンゴの「ラ・クンパルシータ」やポピュラー・ミュージックも流れることになっている。映像作品では音楽はとても重要な要素だ。音楽の種類によって意味づけもできるし、さらに29分は映像だけだと長いが音楽があれば楽に見続けることが出来よう。残念ながら、「ラ・クンパルシータ」が流れる部分を見ていないのだが、解説によると、『作品は滑稽でポップアート的なセンスを見せるが、戦争と平和のアイロニーに満ちている』となっている。
Photo_181
アントニ・ミラルダ、ベネ・ロッセル共同制作
「パリ、ラ・クンパルシータ(1973)」
粘土で出来た玩具の兵士をパリの街中を引き回すところを映像化

映像作品ではもうひとつ面白いのがあった。エリック・デュイケールの「カント(2000、6分)」。大学と思われる場所を背景に、教授風の格好をした作者自身が、ラップ調のリズムに乗せてカントへの下品な悪口を言い続ける映像なのだ。これでもアートなのだ。この展覧会では「マルチカルチャー」と銘打たれていた。
デュイケールは哲学、科学、美術、演劇にまたがる学際的な仕事をしてきており、この作品でも「真理といかがわしさの間で遊びに満ちた探求」をしているのだそうだ。

アートの本質は創造だから、どんなものも「あり」だろうが、どのあたりまで価値が認められているのだろうか?今回のポンピドー・センター所蔵品展はその広がりと方向を知る上で、私にはとても有意義でした。
S_42
国立新美術館ロビーに展示されている
ジャン・ティンゲリー「メタNo.3(1970-71)」
会場外に置かれているが、これもれっきとしたポンピドー・センター所蔵品展の一作品である。
錆びた鉄の構造物が音を立てる...不安や孤独の雰囲気を表現

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