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2007年4月 7日 (土)

スポット測光方式で露出を決めるには?...被写体の反射率を意識しなければならない

我が家には随分昔からカメラはあったが、記念写真や旅行の記録写真に使う程度で、カメラや写真というものを突っ込んで勉強してみるなどということはついぞ無かった。
写真に対する姿勢が変化したのは、たまたま旅行で知り合ったKさんの写真を見せてもらう機会があって、自分の写真とまるで違うことに気がついたのがきっかけだった。たまたま、その頃、ニコンD80が鳴り物入りで売り出されたこともあり、早速これを購入し、カルチャーセンターの写真教室にまで入ってしまった。それから半年経って、写真というもの、カメラというものはどういうものか、また、その奥の深さが少しは見えてきたように感じているこの頃です。

そういう訳でほとんど毎日のようにカメラを使っているが、実際のところ、カメラの操作を充分に会得しているわけではない。
最近、「露出の極意/スポット測光術のすべて(鈴木一雄著 2007年)」という本を読み、改めて自分の無知を認識した次第である。
一眼レフ(でなくても一緒だが)カメラには露出を決めるために、今降り注いでいる光量を測る露出計が付いている。そしてこれを用いて露出を決める方法として、①多分割測光方式、②中央部重点測光方式、③スポット測光方式の三通りがある...それくらいのことは知っていたが、これをどう使い分けるのか皆目分かっていなかった。

①は画面全体を幾つかに分割してその各々の区画を全て測光して、後はコンピュータの演算により適正な露出(絞り値とシャッタースピードの組み合わせ)を決めるものです。
②も基本的に同じだが、中央部の露出を最優先し、外周に行くに従ってなだらかに情報を加味していくものです。コンピュータで各区画の情報を演算することは同じ。
これらに対して、③は1~3%のごく限られた部分のみ測光し、画面全体の適正露出の演算処理はしない(情報が無いから)のである。
つまり、①と②は露出は基本的にはカメラ任せでいいわけであるが、③は何を測光したのかにより、画面全体の適正露出への敷衍はカメラマンが行なわねばならない。頭を使わねばならないのだ。

そこで、前述の書籍の登場となるのです。スポット測光でどのようにして露出を決めるのか?それを知るためには露出の仕組みを知らねばならない。
被写体に降り注ぐ光の絶対量を測る事ができれば1発だが、被写体が遠くにある時はそうは行かない。従って、カメラの露出計は被写体から反射される光の量を測っているのだ。そして、露出計は『被写体の反射率が18%である』ことを前提に作られている。自然界の被写体は反射率2~3%のものから90%前後のものまで広く分布していて、その総平均がおよそ18%なのらしいのです。色で言えば緑や赤はほぼこの近辺である。
従って、緑の葉っぱの部分をスポット測光した場合は、そのまま現在の光の量とすることができるが、例えばソメイヨシノの花の部分を測光した場合は反射率が50%以上あるから18%との乖離を補正しなければならない。そのままでは露出計は光の量が50/18=2.8倍あると勘違いするのである。

こういうことになっているので、スポット測光を使って露出を決めるには被写体の反射率を把握していることが必要だ...というのがこの本の趣旨です。
そのためにはいろんなものを測光対象にして撮ってみて、どれくらいの補正をすれば適正露出になるかデータを積み重ねろ、と筆者は言う。この本には「被写体別反射率トラの巻」が付いていて、とりあえずこれを使えば、スポット測光による露出の決定はできると言う。
氷、雪は72%(補正量+2)、ソメイヨシノ48~60%(同+1・1/3~+1・2/3)、桃40%(+1・1/3)、新緑24~30%(同+1/3~+2/3)、赤いチューリップ18~24%(同±0~+1/3)、緑の葉12~24%(同-2/3~+1/3)、キキョウ7.5~12%(同-1・1/3~-2/3)といった具合である。この補正量(単位はEV)というのは、カメラの露出補正ダイアルにより、1/3刻みで簡単に設定できる。
面白いというか、当然なのだが、画面の中のどの被写体を測光対象に選んでも、補正量を正しくすれば結果は同じ仕上がり(見た目の明るさ)の写真になる。だから、筆者は得意なものを幾つか作っておけ、と示唆している。

ところでスポット測光を使うことの優位性は何か?
カメラ任せの露出決定では特に逆光ないし半逆光の時、変な写真が出来てしまい、がっかりすることがよくある。これに対し、スポット測光では、見た目の明るさをどんな場合でも確実に実現できるし、さらに意図した変更も間違いなく出来る、というわけである。

気の短い私には向かないような気がするが、面白いのでやってみている。その感想はいずれまた。
なお、こんなことは、写真を撮っている人達には常識なのだろうか?ご承知の方はすっ飛ばして下さい。

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