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2007年5月 9日 (水)

イラン旅行の印象その5 世界遺産タフテ・ソレイマーン

タフテ・ソレイマーンの遺跡は何処までも広がる、のびやかな高原の一角に少しだけ盛り上がった丘の上に存在する。周りには小麦畑やオリーブの林があり、ヤギの群れを追う土地の人も見える。牧歌的で心休まる空間に満ちていました。
驚かされるのは、360m×280mぐらいの楕円形に囲んだ石壁の内側にはいろいろの遺構と共に、100m×70mぐらいの青く輝く湖があることだ。この湖の存在が、今までに見たことの無い、不思議で魅惑的な景観にしています。大抵の人は一度見ると忘れることが出来なくなるでしょう。

ここはどういう所なのか?現地で購入したパンフに、このサイトについて英文の紹介があったので、簡単に翻訳してみましょう。

『タフテ・ソレイマーン(Azargoshnasb Fire Temple)の遺跡』
タフテ・ソレイマーンは西アゼルバイジャン州のTakabの北東42kmに位置する複合的遺跡である。この遺跡内には多数の遺構があり、さらに絶え間なく湧き出る泉がちょっとした湖を作っているが、これらは周りの土地より20mほどの高さの、石と湖の沈殿物によって形成されたプラットホームの上に乗っかっている。
これまでの調査によれば、宗教的定住者がここに来たのは紀元前1000年ごろのことである。そして、パルティア時代(BC3世紀~AD2世紀)の遺跡の上にAzargoshnasb Fire Templeが造られた。
ササーン朝期、特にKhosrow-Anushirvan(AD531~579)やKhosrow Ⅱ(AD590~628)の統治下には、この地の発展に特に意が注がれた。
パフラビ文字(ササーン朝のゾロアスター教の書物で使われた)では、このFire TempleはGanzakまたはGanjehと呼ばれた。ローマ人たちはGazka、アラブ人はShizだった。
AD624年、Khosrow軍がローマに敗れて後、侵入者によって略奪、破壊されて、その威信は失墜した。その後のイスラーム統治下はさらに寺院の落ち目が続いた。
モンゴル系のイル・ハン朝の時代(1256~1353)になって、建物が増改築されるようになり、特にAbaga KhanによるKhosrow’s Aivanの復活により、この地域での政治的、社会的活動が始まった。そして、17世紀までこの地は夏の首都となったが、その後は完全に放棄された。
ここで用いられている材料は、自然石、切石、レンガ、化粧漆喰、細工されたタイルである。
2003年世界遺産に登録。

パンフの説明は以上ですが、若干補足しよう。
先ず、タフテ・ソレイマーンとは、「ソレイマーンの玉座」という意味だが、全く関係のない名前なのである。本来ならAzargoshnasb Fire Templeの遺跡というべきでしょう。
要は、ここはゾロアスター教寺院の跡なのだ。従って遺構の中には、火を燃やし続ける特別な場所もある。
ゾロアスター教の歴史は古く、その祖ゾロアスターは紀元前630年ごろ(紀元前1000年より以前という説もある)生まれ、イラン北東部で拝火の宗教を提唱した。以後、イスラームに席巻される650年ごろまでイランの諸王朝によって、国教とされて来たのだった。

遺跡に残る構造物はほとんど元の形を留めず正に廃墟であるが、真ん中にある小さな青い湖と、何処までも続く朗々とした高原の景観とが一体になると、異次元の世界に迷い込んだような気分にさせる不思議な場所なのです。

Photo_197Photo_198左の2枚は本文のパンフからコピーしたもの。
全体が俯瞰できる。







Photo_199タフテ・ソレイマーン遺跡の平面図
(パンフレット)





01050107_1外壁と遺跡への入り口




0111_10113_10119_1この豊かな水は地下から湧き出たもの。
平均水深60m、最大112mとガイドブックに記されているが?右の写真は流出口。

011701160122
遺構の数々。
左は火を維持した場所だったと思う。
右写真では、僅かに装飾の痕跡が見られる。中写真はアナヒタ神殿(水を溜めた)。ゾロアスター教の時代には、古来のアナヒタなど多神教も容認された。
01060123周りの眺望。
左写真に小さく羊の群れとそれを追う人が見える 。右写真の水路には湖からの流出水が激しく流れる。

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