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2007年5月 7日 (月)

イラン旅行の印象その4 世界遺産ソルターニーイェ

西北部では3箇所の世界遺産を見た。①ターク・イ・ブスターン(2006年登録)②ソルターニーイェ(2005年登録)③タフテ・ソレイマーン(2003年登録)である。このうち、②、③はとても印象深かった。
先ず、ソルターニーイェを取り上げよう。ツアーでは第3日、ハマダンからザンジャンへ向かう途中のソルターニーイェの小さな村に、世界遺産の巨大な建物、ソルターニーイェ・ドームがある。
(注;ツアー催行会社ではスルタニエと呼んでいますが、ソルターニーイェの方が実際の発音に近く、かつ一般的に使用されているようだ)

ソルターニーイェとは「帝都」の意味である。現在は日干し煉瓦の家が散在する砂塵の目立つひなびた場所だが、かつてここはイランを支配したモンゴル人君主ウルジャイ(在位1306-13)による巨大帝国の首都だった。その賑わいについて、同時代にイラン北西部を通過したマルコポーロが記録に残しており確かなことである。
当時、支配者は巨大な墓を造って名を残そうとする傾向があり、ウルジャイに至って、ついに世界最大級の建物が造られた。なお、現地ガイドの説明では、当初、イマーム・アリー(シーア派の最高指導者)の墓として造っていたが反対されて自分の墓としたと言う。
ドームの高さは約50mあり、遠くからもよく見える美しい青いタイル張りだった。ドームの周りには8本のミナレットがあったようで、その痕跡が存在している。
八角形の建物は直径25mの大きな吹き抜けの空間を持つ。この空間の各辺には深い壁がんがあり、さらに上部には内部を見下せる回廊が付いている。
建物外側のドームの基部にも回廊がぐるりと取り巻いており、ここからの周辺の平原の眺めが素晴らしい。この回廊は24のヴォールトから構成され、それぞれ彫刻、着彩された漆喰により色彩豊かに装飾されていた。各ヴォールトはそれぞれ異なった幾何学文が用いられているが、同時代に存在した図案集のものと一致するので、職人がこれから着想を得たものと考えられている。この幾何学文がとても面白く、売店で文様だけを集めた絵葉書を購入した。
建物の外壁、内壁の大部分が施釉タイルで覆われていたというから、当時は素晴らしく美しい建築だったと想像される。

S0055_1 ソルターニーイェ・ドーム(Soltaniye Dome)の外観
ドームや外壁に断片的に青い施釉タイルが残っている。現在、ドームは全面的にタイル復元作業を行なっている。


S0056S0064広々とした内部空間 
八角形の各辺には大きな壁がんが設置されている。その上部は内部を見下ろせる回廊になっている。

内部壁面には幾何学文の施釉タイルが残っている。現在修復中。



1s0060S_52 内側に向けた回廊の更に上には外側に向けた回廊がある。24のヴォールトに区分されていて、着彩された漆喰で装飾されている。天井部分に各ヴォールトごとに異なるデザインの大きな模様が付されている。





Photo_196 絵葉書より。
上は、上記回廊の、あるヴォールト(右側写真)の天井に装飾された文様。これはここのシンボルでもあるようだ。
下は内部空間の壁の文様のひとつ。
いずれも、とても複雑で、かつ面白い。



S0062S0061_1 外側に向けた上部回廊からソルターニーイェの村を展望する。
黒いチャードルを付けたイラン女性たちが小さく見える。


(この記事は、岩波書店「イスラーム美術」を参考にしました)

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