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2007年5月27日 (日)

イラン旅行の印象その13 続ヤズド(カナート、金曜日のモスク、アミール・チャグマークなど)

ヤズドは2回にまたがることになったが、それだけ印象が強かったということでもある。先ず、このような乾燥地帯に緑豊かな都市があること自体が不思議な気がするのだ。

《カナート~バードギール~裏道探索》
ヤズドの存在はカナート抜きには語れない。砂漠の辺縁部にあるヤズドに水を供給するため、山岳地の伏流水を延々と地下道を掘って導く、それがカナートである。
カナートによる水供給システムは世界の乾燥地に広まっているが、起源はイランである。前8世紀にまで遡れるようだが、本格的に普及したのは、前6世紀のアケメネス王朝時代らしい。カナートとは要するに地下トンネルだから掘削には技術と人手、従って膨大なお金が掛かるが、イランではカナートの持ち主は毎年、建設費の25%の純利益が得られるがゆえに、多くのカナートが造られたという。東イランには70kmに及ぶ長大なものもあるそうだ。
ヤズドのカナートの例をマスジェデ・ジャーメ(金曜日のモスク)の中庭で見学できた。暗く長い階段を30mの深さまで下りるとカナートに到達した。小さなテラスが円形の水槽を囲むような形になっているが、これは礼拝の前に身を清めるための施設であったようだ。
なお、カナートで街中へ運ばれた水はアーブ・アンバールと呼ばれる本格的な地下貯水槽で蓄えられ、上部には大きなドームとバードギールという風採りの塔が備えられるという。これで水を冷却するのだ。(なお、現在はカナートはほとんど使われておらず、水道に置き換わっているようだ。)
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金曜日のモスクを見た後、周りの裏道を散策した。バードギールが幾つも見られた。ヤズドの街のシンボル的存在である。天然クーラー。




0608s0602s0609s「金曜日のモスク」の裏通り点景。   
中央の写真はある家の玄関扉。男女別にノッカーがついている。左が男性用。右が女性用。違った音が出るようになっている。訪問客が女性なら、中の女性は身構えなくてもよいが、男性客の場合、中の女性がキチンと身づくろいしてから扉を開けるのだそうだ。
この狭い路地にナン屋があった。夕食用だろうか、とても忙しそうだった。作り立てを試食する。

《マスジェデ・ジャーメ(金曜日のモスク)》
ササーン朝のゾロアスター教寺院の跡地に、14~15世紀に建てられたモスク。ドームはササン朝時代のもので1750年も経っている。イラン一高いという、56mもあるミナレットが特徴的。さらに、正面入り口やドーム内のタイル細工は素晴らしく美しい。イスラム建築の傑作のひとつと言われる。
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縦長写真の右端は、ミフラーブ。モスク礼拝堂の四壁のなかで,とくに聖地メッカの方向に面する側の内壁に設けられるアーチ形の壁龕(へきがん)のことである。モスクの中核施設。
とにかくタイル・ワークが素晴らしい。ドーム天井は思わず息を飲むほど。夕方のため、写真には撮りづらかった。

《タキイエ・アミール・チャグマーク》
アミール・チャグマーク広場の前に建つ、寺院とバザールほかの複合施設である。15世紀の建築。2本のミナレットを持つ建物は優美。
ミナレットの下のアーチの立派な入り口を入るとバザールになっている。建物右側に見える大きな木製の構造物はいわば御輿(みこし)のようなものでナフルと呼ばれる。この地はシーア派12エマーム、ホセイン(預言者ムハンマドの孫)の縁の地であり、彼が殉教したイスラム暦の1月には、このナフルは黒い布や鏡で覆われ、人々は彼の死を悼むのだそうだ。
建物の前の広場に眼を向けると、楽しそうに寄り添う若い男女のペアーが何組も見られた。その向こうのメインストリートには市民や車が溢れ、都市としての活気が感じられる。街路樹のボリューム感ある濃い緑を見ていると、ここが砂漠に隣接する都市だとはとても思えない。
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《キャラバン・サライ》
沈黙の塔を訪れた際に、途中でキャラバン・サライに立ち寄った。シルクロードにおいては30kmごとに設置されたという。機能としては純然たる隊商宿として商人、巡礼者、一般の旅行者を泊めるもののほか、バザールに隣接させて倉庫や事務所、商品取引所を兼ねるものもあったようだ。
ここの場合、強盗に襲われないよう、宿泊施設は城壁で囲まれていた。また、当然のことながら、水供給のためのカナートもあり、その痕跡を見ることが出来た。
バスで走行中、ピスタチオの畑を見つけ、わざわざ停車してもらい写真を撮った。こんな大きな木に生るものとは知らなかった。最終日、イスファハンで1kg購入。ビールのつまみに最高です。
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ヤズド郊外のキャラバンサライ址



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ピスタチオの木

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