« イラン旅行の印象その7 シェイフ・サフィーアッディーン廟(アルダビール) | トップページ | イラン旅行の印象その9 三大詩人の霊廟を訪れる »

2007年5月15日 (火)

イラン旅行の印象その8 キャンドヴァーン村~アンザリー潟~マースーレ村

《キャンドヴァーン村》
イランにはとても変わった村が存在する。キャンドヴァーン村は、タブリーズの南50kmのサハンド山の麓、谷への斜面に沿って密集する奇岩群の只中にある。というか、奇岩そのものをくり貫いて家としているのだ。トルコのカッパドキアに似た風景だ。カッパドキアと違って、実際に人がまとまって住み、村として存在することだ。
1400年前、アラブ人の侵入に際して、この地に逃げ込んできた人たちがそのまま住み着いたものだという。この村の特産はアーモンド、アプリコット、蜂蜜。また水が綺麗なことでも有名だという。
シャムソーラ・キアニさんの岩のお家を訪問させていただいた。くり貫いた岩の空間に大きな絨毯を敷き、家具を置いただけだが、とても暖かく安心感のある住空間に思えた。各家はくり貫いた空間を四つほど所有していて、用途を分けているようだ。
この日は金曜日(イランの休日)でもあり、ピクニックの家族連れで大いに賑わっていた。
帰りに我々のツアーの仲間の何人かが特産の蜂蜜を買った。
S_69 左の雪山は村に向かう途中、ずっと見えていた。今回のツアーで最も美しかったと思う。


S_70S_71キャンドヴァーン村の遠景。
道路は渓谷沿いに通っている。右端の売店にて何人かが蜂蜜を買った。


S_72S_73村の通路は危なっかしいところもたくさんある。村の女性が井戸端? この道は山羊も通るから当然、糞も。   
ピクニックに来たイラン人の若者たち。何処へ行っても、老いも若きも我々に感じが良いのだ!今回のツアーで最も感銘を受けたことの一つだ。
S_83村の住人キアニさんの御宅をみせてもらった。 道路も含めて岩を繰り抜いて造られている。一部レンガや漆喰で表面が整えられている。かなりの部屋数がありそうだ。







《カスピ海~バンダル・アンザリー》
6日目は、タブリーズからアルダビール(前回の記事参照)を経てカスピ海のバンダルアンザリーまで400kmほどの長距離の移動だった。しかし、道路は良く、雪の積もった山々や日本とは異なる乾燥気味の荒涼としているが魅力的な風景を眺めていると、疲れはほとんど感じない。バスの車窓からではろくな写真にならないことは分かっていても、見たことも無い風景が次々と展開し、その度に思わずシャッターを切ってしまうのでした。
アルダビールから暫らく進むと、東の地平線上に低く雲が張り付いているのが見える。あのあたりから、これまで通ってきた1300~1500mの高原が一気にカスピ海に向けて標高を下げるからだとガイドが言う。間もなく道路は一方的なしかも急な下りになり、あっという間に霧の中というか雲の中に突入してしまう。そして、あたりはにわかに木々の緑に覆われた。この劇的な変化は感動的ですらある。
カスピ海沿岸の平地に出ると、なんと水田地帯だった。ほとんど日本の田舎と同じ風景が広がっている。イラン人にとって、この水と緑に恵まれたカスピ海沿岸地帯は「天国」と映るらしく、あこがれの地だという。テヘランからカスピ海沿岸までは最も近いところでも300km近くあるが別荘を持つ人も多いと言う。
バンダル・アンザリーのホテルに入る前に、野鳥や渡り鳥の生息地帯として有名なアンザリー潟のボートツアーに行った。カスピ海に広がる450平方kmの湖沼群で、野鳥と共に、蓮の花が見事らしいが、残念ながら時期的に早すぎたようだった。なお、ここから更にカスピ海沿岸を東へ100kmほど行くと、温泉もある有名なリゾート地ラームサルがある。湿原の保存に関する国際条約「ラームサル条約」が締結された都市である。
また、写真を撮らず残念だったが、潟のカスピ海への出口のところがアンザリー港(バンダルがペルシャ語で港という意味)になっていて、停泊中の中・大型船は全てロシア船であった。そうなんだ、直接陸続きではないが、カスピ海の向こうはロシアなんだ。国際問題でイランとロシアが近い訳が、納得できたのでした。
そして、いつの間にか大変なところまで来てしまっている自分に驚くのでした。
なお、ツアー参加者でカスピ海名物キャビアを購入する人もいました。
S_84
カスピ海沿岸地帯は降雨量も多く、水田が広がっている。
バスの車窓からなので、どうしてもボケてしまう。

S0220S0224 



アンザリー潟のモーターボート・クルーズは時速50km/hで突っ走る。今、とても人気らしい。時折姿を見せる鳥たちも諦め顔?迷路のような葦の水路のどこかに、本物のビールが飲める隠れ家があるらしい。どうですかと言われたが、誰も希望しなかったのでパス。結局、このツアー15日間は完全禁酒で通しました。
F1131sS_74 これは、翌日朝のカスピ海。ホテルの庭から直接浜に出れる。昨日の小雨混じり曇天と打って変って上天気。つい、30分前までは霧でほとんど見通しがきかなかったのに。(左;6時10分ごろ 右;7時30分ごろ)


《マースーレ村》
マースーレ村は、バンダル・アンザリーから直線距離にして60kmぐらい内陸に入ったところにあるのだが、じかに行く道路がなく延々と回り道を余儀なくされる。この村が面白いのは、海抜1050mの山肌に家々が段々畑のように層を成してびっしり並んでいて、各家の屋根部分が道路として使われていることだ。遠くから見ると、あちこちの屋根の上に人が歩いたり、佇んでいて、奇妙な感覚を覚えるのです。下の方の階層はちょっとしたバザールになっているので、店を覗く楽しみもある。
村を一回りしてからバザールのチャイハネで一休み。イランのチャイの飲み方は、インド(煮込みミルクティー)とは全く異なる。お茶は必ずストレートで出て来て、先ず角砂糖を口に含んでからやおらお茶を流し込む。この角砂糖はかなり硬く容易に溶けない。お茶菓子を食べながら日本茶を飲むのに似ているが、お菓子よりはずっとすっきりしている。
この村の人口は1600人ぐらいとのことであった。
村人の生活そのものが観光資源になっている面もあり、得がたい体験だった。写真もいっぱい撮り、平和で充実した気分に満ちて、次の観光地に向かったのでした。
S_75S_76 
マースーレ村の遠景。小さなモスクもある。ちょっと見には変わった所が無いようだが?


S_79S_80下の階層の屋根が道路として使われているのが分かる。
人が屋根の上にいるように見えるが、公共の道路の上にいるのだ。
S_77S_78 従って、このような風景がいたるところで見られる。



S_81S_82左はバザールの店のオヤジが、模様替えをしているところ。両側に店のあるこのあたりは道路幅は1mぐらいしかない。その、ゴチャゴチャさが楽しい。
右は小さな村の小学校。先生と生徒がちょうど出てきたところ。例によって、にこやかに挨拶を交わした。

|

« イラン旅行の印象その7 シェイフ・サフィーアッディーン廟(アルダビール) | トップページ | イラン旅行の印象その9 三大詩人の霊廟を訪れる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/172334/15065519

この記事へのトラックバック一覧です: イラン旅行の印象その8 キャンドヴァーン村~アンザリー潟~マースーレ村:

« イラン旅行の印象その7 シェイフ・サフィーアッディーン廟(アルダビール) | トップページ | イラン旅行の印象その9 三大詩人の霊廟を訪れる »