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2007年5月 6日 (日)

イラン旅行の印象その3 西北部は山また山...シルクロードで最も美しいルート

イランでこんなに山岳美を味わえるとは全く予想していなかっただけに驚きだった。特に、ツアーの前半の北西部は圧巻だった。バスは雪を頂いた高い峰々を望みながら、緩やかにうねりつつ、幾つもの峠を越えて高原を進むのです。日本では見られないスケールの大きさに圧倒されながら。一見荒涼としているが、灰色、茶色、薄緑、そして真っ白な雪が織り成す巨大なタピストリーだ。
現地ガイドの説明では、4日目のザンジャンからタブリースに向かうルートはシルクロードとも重なり、このガイドが主催する北京~イスタンブール48日間のシルクロード踏破ツアーの参加者からイランのこの部分が最も美しいと賞賛されているのだそうだ。
前日のガイドの予告...「明日は信じられないほど景色が美しいですよ」
このツアーのベストシーズン中のベストがこの4月だというのは、この山岳ルートの美しさを最大限に満喫できるからだ、とツアーガイドは言う。遅ければ雪化粧した山は見られないし、早ければ降雪でバスも通れない。現に、添乗員の話では、2週間前の同じツアーでは雪に見舞われ通行不能で日程が変更になったと言う。

4日目、ザンジャンを出て世界遺産のタフティ・ソレイマンに向かう。新緑が広がる山々を通り、途中、銅や亜鉛を運ぶロープウエーを眺めながら高度を上げて行く。この付近で最も高いシャープラギ峠(2650m)に差し掛かった時、雪が降り始め、あたりは白一色。車のスピードも落ちて来た。あと100mほどで峠が越えれるというところで、バスが雪だまりに入り動かなくなってしまった。後から来た乗用車がバスを追い抜いたけれどやはりスリップで停止。乗用車は軽いから皆で押してやると何とか動き、峠を越えて行った。
バスの方は運転手とガイドとアシスタントの三人で、チェーンを着けようとしたが、装着不可能のようだった。さて、困った。正直、私もここで夜を越す羽目になるかと思った。現地ガイドは携帯でテヘランの会社へ救援を頼む。しかし、ここに到着するには7~8時間はかかるだろう。一方、アシスタントの17歳の少年が、何とか峠の頂上にたどり着いた乗用車に便乗してどこかへ行ってしまった。そして、じりじりと神経が擦り減る様な時間が過ぎて我慢が出来なくなりそうになった時、反対側から車が来て、少年がスコップを2丁持って飛び降りてくる。なんと、これでタイヤの前後の雪をすかしたら、あっという間にバスが動き始めたのです。乗員は思わず一斉に拍手。この間2時間。少年は一躍ヒーロー。
この1件で、少年は随分自信を持つようになり、我々とも大いに意思が通じるようになったのでした。
なお、この日のこの付近の温度はマイナス2度だったという。たまたま薄着だった私は軽い鼻風邪を引いてしまった。
(ケルマンシャー~ハマダン~ザンジャン)
S0024S_51右はアサダバード峠のレストラン横にあった作業小屋。
何処へ行ってもそうだが、ペルシャ語(アラビア文字)のロゴが格別の雰囲気をかもし出す。

(ザンジャン~タブリーズ)
S0069S0082

    


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S0094S0096
現地ガイドとアシスタントの少年



(タブリーズ~アルダビル)
S0161S0186右はイラン有数の高峰サバラーン山(4810m) 
農夫が畑を耕していた。


S_50
西北部詳細図
○数字は宿泊順序。ただし、ケルマンシャーはテヘラン宿泊後、早朝飛行機で到着。

ケルマンシャーからバクダットまでは1本道。すぐそこだが、イラン領土内は平和そのもの。戦争の匂いはいささかもしない。



【参考】  イランの地形と自然(平凡社世界百科より)
イランの地形は三方を山脈,高地に囲まれた逆三角形の高原である。北部にアルプス・ヒマラヤ造山帯の一部をなすエルブルズ山脈が東西に走り,3000m級の山峰が連なっている。最高峰はテヘランの北にそびえるダマーバンド山(5671m)である。山脈に沿った地域は造山活動のために地震が頻発する地域となっている。北西部から南東部に向かって別の数条の山脈が並走している。これをまとめてザーグロス山脈といっているが,3000m級の峰が連なり,山間の盆地にオアシスの集落が発達している。東部のアフガニスタンとの国境地帯は連続した山脈といえないが,とぎれとぎれに高地がある。イラン高原の標高は平均して700m以上,もっとも低い所は南東部の300m,高い所はエルブルズとザーグロスの両山脈が出会う北西部のアゼルバイジャン地方の1500mである。
イラン高原の気候はエルブルズ,ザーグロスの両山脈が外洋からの影響をさえぎる自然の障壁になっているため,降水量が年間を通じて少なく,極度に乾燥していることが特徴である。高原全体の平均の年降水量は250mm程度,三方の山脈,高地から離れて中央部にいくほど降水量は減少し,年間100mm以下の人の住むことが不可能なカビール砂漠,ルート 砂漠になっている。東部のバルーチスターン,シースターンの両地方はまったくの砂漠ではないが,標高の低い内陸盆地であるために乾燥が著しい。イラン高原で比較的降水量に恵まれているのは,500mm以上の雨が降る北西部のアゼルバイジャン地方で,乾燥森林と叢林ステップが見られ,天水農業が可能となっている。
 大陸性の気候を示すイラン高原は,夏と冬の気温較差が25℃以上と大きい。7月は平均気温30℃,昼間は40℃を超す暑さを記録するが,1月は中央アジア方面の高気圧帯から寒冷で乾燥した空気が流れこんでくるため,平均気温は3℃となり,寒さが厳しい。また,冬は地中海方面から移動してくる低気圧の影響で,雨がこの時期に集中して降る。高原部での生活の場は,以上のような過酷な自然と風土に制約されてかたよったものになっている。村,都市といった集落は,比較的降水量が多く水を得ることが容易なエルブルズ,ザーグロス両山脈の麓か山間の盆地に集中している。このような所は春に山からの融雪水が中小の河川となって流れ,また伏流して地下水になったものをカナート灌漑によって利用できるため,農業と生活の便に恵まれている。
 イランの大半は高原地域によって占められているが,わずかながら低地帯も存在する。その一つはエルブルズ山脈の北側,カスピ海南岸に沿って延びるギーラーン,マーザンダラーン 両地方の海岸平野とその東に続くトルクメンのステップである。この地域はカスピ海の湿潤な空気が北斜面にあたるため,年間1000mm以上の降雨があり,夏乾燥,冬多雨の地中海性気候となっている。とくに湿潤なのはギーラーン地方で,広葉樹の茂る森林と水田があり稲作が行われている。東に行くにしたがって乾燥度が強まり,カスピ海南東部のトルクメン平原ではステップ化している。ここでは遊牧のほかに綿作とタバコの栽培が行われている。
Photo_193Photo_195イラン全図とシルクロード・ルート図 

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