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2007年5月12日 (土)

イラン旅行の印象その6 タブリーズ(ブルーモスク...絨毯工場...)

タブリーズはイランの最北西端、アゼルバイジャン、トルコ、イランに囲まれた比較的狭いエリアに位置する人口100万の大都市である。周りは3000m級の山に囲まれていて、街の標高は1360mあり、夏涼しく、冬はかなり寒い土地柄である。ヨーロッパとアジアを結ぶ要衝にあることから、古くから商業および宿場町として重要な役割を果たし、さらに13世紀のイル・ハン朝を始め、何度もここに首都が置かれて繁栄した。

タブリーズで報告したいのは、通称ブルーモスク「マスジェデ・キャブード」と、予定外に見学できた絨毯工場の様子である。

《ブルーモスク》
マスジェデ・キャブードは15世紀の中頃、カラ・コユンスルのスルタン、ジャハーン・シャーの時代に建てられ、この時代の建築の傑作といわれる、と、ガイドブックには紹介されている。多様なペルシャンブルーのタイルで建物全体が覆われていたことから「ブルーモスク」の名で知られている。しかし残念ながら、地震の多い地域のため、度重なる地震でタイルが半分ぐらいは剥げ落ちてしまっている。230年前の大地震のあと、180年間は放置されていて、その後ようやく修復が行なわれるようになったという。
地下にはジャハーン・シャーの墓が残っている。
モスクのサイト入り口には大きな像が建っているが、12世紀に活躍した詩人ハーガニーである。(イランの詩人については別途述べよう)
S_53
サイトの入り口。モスクの後ろ側に当たる。
こちらから見ると、ブルーの気配が全く無い。

S_54S_55
左は正面入り口。かろうじてタイルが残っている。
右は内部。





S_56Photo_200
このブルーの凄さ!
剥がれ落ちたタイルが1室に集められていた。

《絨毯工場》
いわゆるペルシャ絨毯はイラン各地で作られているが、タブリーズは絨毯製造の歴史が古いだけでなく、とりわけ美しい絨毯を産することで有名です。これは、トルコ結びでゴブラと呼ばれる独特なカギ針を使用して織ることにより、緻密な織り目と正確な文様が実現できるのだという。織られる模様はコーカサス風の幾何学模様に動植物を巧みにアレンジしたデザインが主体だという。
訪れた工場は、一般販売用のものではなく、○○王室御用達や公的目的の大型の超高級な絨毯を製造している所だった。たまたま工場は休みの日だったが、一部稼動しているところを見せてもらった。従業員は500人ぐらいらしいが、以前は1000人ぐらい居たという。ここで織っている大型のものだと、1枚織るのに例えば3人×3交代/日で数ヶ月、時には1年も2年も掛かるものがあるという。このような超労働集約型だから値段が高くなるのだが、工場としても採算が取りがたく、つぶれるところが多いそうだ。現地ガイドが真顔で言うには、「ペルシャ絨毯は近いうちに消滅するかもしれない」
写真で見られるように、ここでは図面を見ながら織っている。田舎で家内工業的にやっているところは図面無しで、頭の中のイメージで織るのだそうだ。
結び目の数が多ければ多いほど質は良くなる。ちなみにここで織られているのは、シルクで1cm×1cmあたり結び目144ラージだった。
余談だが、ここは「世界不思議発見」の撮影にも使われた、とガイドの説明があった。
S_57S_58
この絨毯は二人がかりで織っていた。
コブラと呼ばれる特殊なカギ針を使うのがタブリーズ絨毯の特徴。上に見本が掲げられている。
S_59
これは別の絨毯。作業は反対側で行なう。

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