カテゴリー「音楽」の記事

2015年4月13日 (月)

〝ジャケット・アート〟あるいは〝ジャケ買い〟     CD(レコード)は聞くものか ?見るものか?


3月末から4月初めにかけて、日経新聞に「ROCKジャケットアート十選」という コラムが連載された。
選者、イラストレーター宇野亜喜良氏(名古屋市出身)が選ぶのはどんなジャケ ットか、大いに興味が持たれた。
選ばれた10枚のうち、自分も所有しているの は、わずか3枚だった。
   1(1) ピンクフロイド「原子心母」
   2(3) 「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ」
   3(5) キングクリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」
                 注;()数字は日経掲載順序
Photo
ピンクフロイド「原子心母」





Photo_2
「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ」





Photo_3
キングクリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」





この十選について述べるのが本旨ではないので、これ以上踏み込まないが、こ れらのジャケットが「アート」の域に達していると言うことだろう。
特に「ヴェルヴェ ット・アンダーグラウンド&ニコ」の絵柄はアンディ・ウォーホルが手掛けたもの なのだから当然だ。
なお、このコラムでは、アートたる所以と共にその音楽的位置づけも解説されて いて、決して音楽と遊離して存在するものではないことをも示している。

ところで、最近、「原子心母の危機(モルゴーア・クァルテット)」というCDを〝 ジャケ買い〟してしまった。 ジャケットの牛の絵、体の一部が骨になっている!
グロテスクな絵。いったいどんな音楽的内容か?ピンクフロイドはどうなってしま う?
期待よりも心配で買ってしまったと言うところ。
Photo_5「原子心母の危機」
モルゴーアQは弦楽四重奏団
東日本大震災を念頭に作られたアルバムと言う




〝ジャケ買い〟をもう一点。
イタリアン・ポップス mina 「todavia」
2008年イタリアへ旅行した時に購入したのだが、ちょうど発売された直後で、当地のCDショップ店頭の目立つところに展示されていた。
このジャケットデザイン に一目惚れした。
minaって、「チンタレラディルナ♪ 蒼いお月様・・・♪」の、あのチンピラ(失礼 )的、女性歌手の?
あれから何十年。どんな風に歌うのか、全く想像できなかっ た。
音楽はどうでもよい、とにかくこのジャケットが欲しい。 このジャケットの女性に惚れてしまったのだ。
ところが、このCD、私が今でも繰り返し聞く大切な1枚となっている。
実に堂々と大人の歌を歌っている。
なお、このCDには日本語版がなく、アマゾンにおいても輸入盤品切れ中のようだ。

 
Photo_6mina 「todavia」
ミーナ・マッツィーニ
todavia=しかしながら(ポルトガル語)



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ヴァリエーション1




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ヴァリエーション2

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2015年2月23日 (月)

〝IMANY こころの歌〟と言うフランス発のポップスCD

私は海外旅行に行くと、その国で〝今〟売れているポップスCDを何枚か購入することにしている。
ツアーの自由時間にCDショップを見つけて、見つからない場合は空港の免税店で探す。
どれが良いか店員に聞くこともあるが、手っ取り早いのは、ベスト10が並んでいるところでジャケットイメージから、えいやっと...当たり外れが大きいことは承知の上だ。
最近では、トルコで買ったものがどれもアタリだった(別途紹介)。

去年はフランスへ行ったのですが、ツアー中、時間が取れず、結局、空港で買う羽目に。
売り場は小さなもので、これはダメだと思ったが、取り敢えず3枚購入。アタリとは言えない結果だった。この中ではZAZ(ザーズ)がまずまずだったが、あまり好みではなかった。これは帰国後、日本版も出たので、フランスまで行って買うこともなかった。
満たされぬ気持ちで、半年が過ぎた。先週、久しぶりにタワーレコードを覗く。ロック、ジャズの棚を巡り、最後にワールドミュージックの棚列に。当然、真っ先にフランスの場所を見る。
たまたまこの時の店のピックアップ展示盤が
                IMANY  こころの歌
だった。ドキッとするタイトル。これは買わずばなるまい!

我家の古いが自慢のオーディオ(スピーカーはDYNAUDIO=デンマーク製)でその第一声を聴いた時、ファッションモデルをしていたと言う細身の姿とは全く相容れない、超がつくほどに低い声に驚く。しかし、独特のハスキーでメランコリーを湛えた歌いっぷりにすっかり虜になってしまった。
CDの音楽的内容を文章で説明しようと言うのは、野暮と言うもんでしょう。
幸い、このCDの中の代表的な1トラック全曲を動画付きで視聴できるサイトを見つけたので紹介しておこう。
   ⇒リスペクトレコード IMANY
    http://www.respect-record.co.jp/discs/res227.html
嬉しいのは、この動画の中に彼女が登場し、生き生きとした姿を見せることだ。
場面はアフリカの何処かのようだ。彼女の出自、フランス領コモロ諸島かもしれない。

曲名は〝You will never know〟
幸せが怖いという考えに陥り、彼に何も言わず、決して実現するはずのない人生について想像する方をとる...といった切ない歌詞内容で、動画もそれに応じたつくり。

なお、アルバムの原題は The shape of a broken heart...同名の曲の歌詞内容は、「アフリカは傷ついた心の形をしている そして破壊された大地の心 ・・・」
全曲、フランス語でなく英語で歌われる(一部コモロ語)。

Imany1
IMANY こころの歌





Imany2
この写真がいい!





追記;このCDは2年ほど前に発売されたもので、新奇性のない記事になったが、今の自分の心の状態にぴったり沿うので敢えて掲載しました。

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2011年3月31日 (木)

大震災の日に注文したCD...ブルックナーとマタイ

3月11日(大震災の日)の午前中に、ネットでHMVに予約したCDが昨日ようやく届いた。
注文直後に「3日後にお届け」とのメールを受信したが一向に届かぬ。この日の午後に大震災が起こったから、遅れるのもやむを得ないと思っていたが、ここまで遅れるとは。
そのCDとは、
  ①ブルックナー交響曲第2番(ダウスゴー指揮スゥエーデン室内管弦楽団)
  ②マタイによる受難曲(ラッテ・エ・ミエーレ)
最近は洋楽の軽いものばかり聴いていて、クラシックはここ数年、購入していないのに、この日に限って何故、こうなったのか?

《ダウスゴーのブルックナー交響曲第2番》
ひところ、ブルックナーに凝ったことがあって、9番までの交響曲を全て揃えて毎日のように聴いていたことがある。今でも2番、3番、7番は月1回ぐらいは聴くだろう。
この〝問題の〟CDについては、最近、朝日新聞の新譜紹介の欄に掲載されてその存在を知った。その記事は次のようなものでした。

☆大交響楽団のレパートリーを少人数の室内管弦楽団で演奏。身も心も軽い。大減量した分、普段は贅肉に埋もれる曲本来の異様な骨格も際だつ。迷路のような道筋が浮き上がる。爽快かつ不気味。不思議体験!☆

これだけ書かれれば、ブルックナー好きとしては買わない訳にはいかないじゃないですか。是非、不思議体験をしたい!

私が聴いたところでは、この評はほぼ的確だと思う。重厚長大なイメージの演奏とは全く違う。でも、自分がブルックナーに惚れ込んでいた部分がより強調されているように感じた。これを聴いた後、これまで聴き込んできたヨッフム版を改めて聴いたみたが、全く違和感が無く、どちらも同じように心に滲みこんでくる。ブルックナーの聴き方として自分は間違っていなかったと確認がとれたように思えた。
一方、別の評者が指摘していたのは、ブルックナーを聴くのが初めての若い人がこのCDを聴いた後、超重厚な、たとえばクナの演奏を聴いたらどうなることか?拒否反応が起きるのでは?
問題を投げかけるCDではある。
Photo
ブルックナー/交響曲第2番
ダウスゴー指揮スエーデン室内管弦楽団




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ヨッフム指揮 ドレスデン国立管弦楽団


 

《ラッテ・エ・ミエーレのマタイによる受難曲》
ラッテ・エ・ミエーレって?
知らない人が多いでしょう。イタリアのプログレッシブ・ロック・グループの名前です。訳せば「ミルクと蜂蜜」。1972年の作品。バッハのマタイ受難曲を下敷きにしていると言うが、具体的にどう対応するのかは私には説明できない。
バッハの受難曲は2部68曲3時間にわたるスケールの大きなものだ。私が保有していたのはショルティのハイライト版で、もちろん全曲は聴いたことがない。〝受難〟という重い物語は全く意識せず、幾つものアリアがどれもとても美しく、単独の曲として、ただただ聞き惚れていました。
その意味では、ラッテ・エ・ミエーレ版はロック・バージョンではあるが、全12曲30分程で、受難劇全体を意識させる作りになっている。
ライナーノーツによれば、メンバーはいずれもマルチプレーヤーだが僅か3人+混声合唱でこれだけのものを作り上げた。しかもメンバーの一人は16歳と言う。
さらに、サウンドの印象はチープな感もあるが、バッハ以来250年ぶりに受難曲に取り組んだ心意気は買われる、とライナーノーツの解説者。なんと、当時、このグループはバチカンでローマ法王の御前演奏を行ったのだそうだ。
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ラッテ・エ・ミエーレ〝受難劇〟
LATTE E MIELE  / PASSIO SECUNDUM MATTHEUM




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J.S.バッハ/マタイ受難曲ハイライツ
ショルティ指揮シカゴ交響楽団
キリ・テ・カナワ、アンネ・ゾフィー・オッターほか

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2011年2月10日 (木)

オーディオフェスタ・イン・ナゴヤ2011を覗く...B&Wの800ダイアモンドに酔いしれる

2月4~6日に、ナゴヤ国際会議場で〝オーディオフェスタ・イン・ナゴヤ2011〟が開催された。大須のオーディオ専門店から招待状が来たので行ってみることにした。
私自身はオーディオに関心はあるものの、継続的にフォローはしていないので、最近の状況がどうなっているのか、チェックしてみるのもいいだろう、という訳だ。

国内外のオーディオメーカーの最高級機器が一堂に会しており、各メーカーのブースごとに試聴や講演などのイベントを行っていた。
時間がなかったので、特に関心のあった二つの試聴会に参加した。

《B&Wの800シリーズダイアモンド試聴会》
世界の著名レコーディング・スタジオのモニ・タースピーカーとして採用され、現在の音楽シーンを動かしていると言われる〝B&W 800シリーズダイアモンド〟は是非、実際の音を聞きたかった。
1998年に出された〝ノーチラス800〟モデルあたりから注目度が高くなったと思うが、このユニークな名前に私も当時、強く惹かれたものだった。
ノーチラスはオウムガイだが、むしろイルカを思わせるチューブ型のトゥイーターユニットがスピーカー最上部に乗っかっている姿、そしてその下のミッドレンジとバスレンジユニットの流線型の収容ボックスが、とても斬新だった。従来、スピーカーボックスは角形と相場が決まっていたが、B&Wの技術者たちは、表皮効果の所為で角形では音の流れに渦ができることを見いだして流線型を採用したのだという。
そして2005年モデルでは、なんとトゥイータのチューブはダイアモンド製になった。これは、トゥイーターでの高域共振周波数を可能な限り引き上げるためにはチューブの形態だけでなく、素材そのものをダイアモンド(もちろん人工・・・化学気相蒸着による)に変えるのが有効と言うことを見出したという。この初代ダイアモンドに改良を加えた新モデルが今回の試聴機だ。

B&Wのスピーカーは国内ではマランツで扱っていて、試聴会もマランツのブースで行われた。世界的に人気で、なかなか入荷しないととのこと。ちなみに、1本180万円。驚いたのは、スピーカーケーブルも同額の180万円(1式?)かかっているとのことだった。

試聴結果について、私が感想を書く能力はない。ただ、事前に想像した、〝凄み〟とか、〝豪快〟とかの言葉でなく、〝柔らか〟〝優しい〟という言葉の方が似合うと感じた。
Photoマランツ・ブースでのB&W800シリーズ試聴会



Photo_2 これが800ダイアモンド




《フェーズテックの真空管アンプMA-1試聴会》
真空管アンプって今、どうなっているのか。ラックスマンなどのブースを覗くと、展示がなされていたが、試聴の時間ではなかった、たまたま、ある部屋を覗くとフェーズテックのMA-1を主体としたアナログシステムの試聴会をやっていて、此処で短時間、音を聞いた。
音源もLPレコードで、完全アナログ試聴会だった。システムの詳細は分からないが、スピーカーはオルトフォンのように見受けられた。
こちらは、〝凄い〟〝豪快〟の感想だった。たぶん、アナログは〝繊細で柔らか〟という先入観があったからかもしれない。いずれにしても真空管アンプが今も健在であることがよく分かった。
Photo_4フェーズテックの試聴会



Photo_5Ma1右がMA-1管球アンプ(モノラルだから2台ペアで使用・・・ちなみにペアで500万円)

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2010年1月31日 (日)

外は木枯らし、こんな時は音楽で熱くなろう...ミューズ〝The Resistance〟

写真教室は月2回あり、その都度、何らかの作品を提出しなければならない。しかし、冬は被写体探しに苦労する。一応、カメラを担いで、週2回は街へ出るのだが、空振りも多い。気温は低く、風も強いから、心身ともに冷え込むので、時折、喫茶店や本屋などに避難するハメになる。
そんな時、もっとも気分を癒してくれるのが、タワー・レコードとかHMVだ。これらの大型CD店は、品揃えも豊富だし、試聴機も多数置いてあるので、その気になれば1~2時間はすぐに費やしてしまう。そして、入れば大概1枚は買う。(次回のために、2枚以上は滅多に買わないことにしている)

最近、買ったので、良かったもの...

①ミューズ/ザ・レジスタンス
②鈴木慶一/ヘイト船長とラブ航海士
③菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラル/ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ
④絢香/ayaka's history 2006-2009

このちゃらんぽらんさは、いったい何だ?と言われそうだが、DNAから来るものなので、何ともしようがない。

なかでも、①の〝ミューズ〟がとりわけ気に入った。元々、「ロックとクラシックの融合」が好きで、その手のCDを見つけると、迷わず買ってしまう。
帯封に「グラム、メタル、R&B,中東風旋律からシンフォニー3部作まで」などと書かれると、もう我慢が出来ない!
特に印象的だったのは、4曲目の「ユーラシア合衆国」で、クイーンのような華麗なロックから一転して曲末尾はピアノがショパンのノクターンを静かに奏でて終わる。
他の曲ではサン・サーンスも取り込んでいる
また、9~11曲はエクソ・ジェネシスと題された組曲3部作は、ほとんど完璧な交響曲だ。
なお、このCDは、ジョージ・オーウェルの反ユートピア小説で、近未来世界の恐怖を描いた「1984年」をベースにして作られたもので、小説の主人公の男女の物語が曲作りの核になっている。
Img042_2 ミューズ/ザ・レジスタンス(2009/9)



★    ★    ★

街を歩いているとこんなものにも出遭います。
Photo_5
〝友愛〟の像。鳩山さんもこれくらいたくましくなって欲しい。





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〝友愛〟という心の革命により全人類の融和を!...クーデンホーフ=カレルギー(鳩山一郎)


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鶴舞公園でカワセミを見つけた!
(1/20撮影)

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2009年9月26日 (土)

かわいらしい〝Tipari〟の音楽...レユニオンって何処だ?

最近、フランス発のCDを2枚入手した。

その1;〝パリ、愛の歌 第2楽章~永遠のシャンソン名曲集/クレール・エルジエール(2009)〟

これは先に発売され好評だった同名の第1集の続編だ。
エルジエールは、個性溢れるエディット・ピアフやジュリエット・グレコとは違い、実に淡々とそして誠実にシャンソンの名曲を歌っている。
初めは刺激が少ないアルバムの印象だったが、何回も聞くと味が出てくる。バックの演奏も洒落ていて音質も良い。
例えば「私はギターを聴く」は、別の女性歌手が二重唱で加わり、バックはピアノ、コントラバス、ギター、ウクレレに何と日本人奏者の三線という取り合わせ。
また、レオ・フェレの「月」という珍しい曲では、伴奏はピアノに尺八。不思議で面白い効果を上げている。
最後の曲は「上を向いて歩こう」のフランス語カバー。歌詞はいわゆる「スキヤキ」ではなく、原曲に沿った内容になっているので、とても平穏な気分で聴くことが出来る。

これを買ったのは、帯封に、「ジュリエット・グレコから絶賛された歌声」と書かれていたからだったが、たまたま、24日付けの朝日の記事に、ジュリエット・グレコ日本公演の記事が載っていて、ちょっとだけ因縁のようなものを感じた。グレコは82歳になったのですね。
Img030



その2;〝フロム・ラ・レユニオン/ティパリ(2008)〟

久しぶりに私好みのCDに出遭えた。
これは、もちろんフランス発だが、ある意味ではワールド音楽と言っても良いかも知れない。グループ名のTipariは「小さなパリ」の意だが、フランスの海外県レユニオンからパリへ出てきた人達のことをそう呼ぶのだという。
ところで、レユニオンって何処にある?
アフリカの遙か東、インド洋に浮かぶマダガスカル島から、さらに東へ800km離れたところにある東京都を一回り大きくした火山島のことである。住民(80万人)は黒人と白人の混血であるクレオール人が大半を占め、続いてインド人、少数のヨーロッパ人などである。地理的にはアフリカ、中近東、インドに近く、このTipariの音楽もこれら地域に根ざしたメロディー、リズムを色濃く取り入れている。
Tipariのヴォーカリスト、コリンヌ・ツイ=チはもちろんレユニオン出身のクレオール人で、歌詞もクレオール語で歌われる。フランス語を母体にアフリカの言語と混合したこの言葉は、短い音節の単語が多いせいか、とても可愛く、そして親しみやすく響く。さらにコリンヌの声が子供のように透き通って天真爛漫なのが、このアルバムにぴったりだ。

下記サイトにYouTubeのライブ映像があるので、一度見て、そして聞いてみて下さい。
音声のみの曲も、数曲公開されています。この中で〝ti fi la (この女の子)〟が私は好きだ。最初、「チン・チラ、チン・チラァー」と聞こえ、その心地よい響きがしっかりと耳の奥に染み込んでしまった。何か仕事をしている時、しょっちゅうこのリフレインが甦ってくるのです。
  試聴&ライブ映像 → http://www.myspace.com/tipari

Img029このジャケットの女性がコリンヌ・ツイ=チのようなのだが、動画で見るととても華奢で可愛いです。この差は一体何なのだろう?

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2009年2月22日 (日)

プルート~冥王星に愛をこめて...クレア・マルダーが優しくうたう

プルート...
悪い知らせを聞いたわ
ル・モンドで読んだの
太陽系の惑星の座から
半分落とされてしまったのね
永遠に
プルート...
134340
それがあなたの新しい名前
あなたは小惑星でも
なくなってしまった...エリスと同じように
ただの数字にされてしまったの...哀しいことだわ
   「プルート~冥王星に愛をこめて」より

最近購入したCDアルバム『クレア&リーズンズ/ザ・ムーヴィー(2008.9)』の冒頭と最後を飾る曲はかつての第9惑星〝冥王星〟にささげる曲だ(英語バージョンと仏語バージョン、歌詞も異なる)。
消え去っていく栄光への愛惜、翳りいくものへの哀愁を歌っていて、とても印象的な曲だ。このほかの曲もいずれもロマンチックで魅惑的。
私の好きな曲、ティアーズ・フォー・フィアーズの「ルール・ザ・ワールド」がカバーされていた。そのクラシカルな弦楽合奏の導入部に驚かされた。
「21世紀で一番ロマンチックな三ツ星オルタナ・ポップス」という謳い文句は大げさではない。ヴォーカルはクレア・マルダー。父の前妻はマリア・マルダー。パット・メセニー・グループのメンバーの一人が参加していたりする。
Photo
ロマンチストの男性に強く推奨します。





   ☆   ☆   ☆

この歌詞にもあるが、冥王星の位置づけはいささか不安定だ。惑星でも、小惑星でもない「準惑星」という妙なカテゴリーが新たに設けられ、これに属するとされたが、各方面から異論もあり、我が国の学校教育では使わないことになっているという。歌詞の「半分落とされて...」という意味はそう言うことなのだ。一方で、「小惑星」としての番号も与えられ、これが134340なのだ。

   ☆   ☆   ☆

クラシックの方では、ホルストの組曲「惑星」という曲があるが、ホルストが作曲した時点では冥王星がまだ発見されていなかったので当然ながら冥王星のパートは無い。
世の中には〝完全主義者〟が必ず居るもので、冥王星発見以降、この組曲を補完しようという試みが幾つか行われたという。その中でも2000年にコリン・マシューズが作った「冥王星、再生する者」が有名だそうだが、どんなものなんだろうか?
しかし結局の所、冥王星は惑星の座から追放されたから、ホルストは先のことをちゃんと見通していたんですね。
Photo_2






   ☆   ☆   ☆

天文関係の雑誌や年鑑を覗いてみると、未だに惑星の部分に冥王星が載せられている。勿論参考扱いだが。
それだけ人々の冥王星への愛着が強いということだ。私としてもただの数字にされては困るなあ。

   ☆   ☆   ☆

今年は「世界天文年」だそうだ。
ガリレオ・ガリレイが自作の望遠鏡で天体観測を行って以来、400年目に当たるという。
今年の最大のイベントは7月22日の皆既日食だろう。日本ではほんの少し欠けるだけだから、中国などへの〝皆既日食ツアー〟が人気があるようだ。

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2009年2月 5日 (木)

ブライアン・イーノ(コラボレーション作品)の新CD

このブログでブライアン・イーノのことを書くのは3回目か?、いや4回目かな。
私にはとても気になる存在なのです(お暇な方は過去の記事参照)。
〔その1〕
〝デヴィッド・バーン&ブライアン・イーノ/エヴリシング・ザット・ハプンズ・ウィル・ハプン・トゥデイ(2008.11)〟
久々の彼のCD...コラボレーションだが...ということで、とにかくゲットした。
イーノが作曲&インストゥルメント、バーンが作詞とヴォーカルという分担だ。
予想していたというか期待していた、アンビエント(環境)な響きは薄く、フォーク、カントリーもしくはゴスペルのような印象を与える作りだ。バーンのヴォーカルの所為もある。
しかしヴォーカルの背後の音楽は多層的で魅惑的、紛れもなくイーノのものだ。
Photo
デヴィッド・バーン&ブライアン・イーノ/エヴリシング・ザット・ハプンズ・ウィル・ハプン・トゥデイ




〔その2〕
〝パッセンジャーズ/オリジナル・サウンドトラックス1(1995)〟
これは、なかなか手に入らず、ようやく去年の春先に買ったものだが、現在も最もよく聴くCDの1枚。
パッセンジャーズとは、U2とブライアン・イーノ+αのコラボレーションのための名義である。
このアルバムの最大の注目点はこの+αの部分だ。7曲目の「ミス・サラエボ」に、クラシック界からあのルチアーノ・パヴァロッティが参加しているのだ。
そのいきさつは、ボスニア救済のための野外チャリティ・コンサートを企画していたパヴァロッティがU2に出演を依頼したことに始まる。
U2は、ボスニアの戦火のさなかに行われたビューティ・コンテストを題材にした同名のTVドキュメンタリーにインスパイアーされてこの曲を作り、そしてパヴァロッティと共演することになったのだ。
なお、ブライアン・イーノはこの時期ずっと、U2のプロデュースを担当していた。

Photo_2パッセンジャーズ/オリジナル・サウンドトラックス1
7曲目が「ミス・サラエボ」
U2ボノの淡々とした英語のヴォーカルの間にパヴァロッティのイタリア語の熱唱がサンドイッチされている。まったく違和感がない。
歌詞を知って聴くとまた格別の味...興味のある方はこちらへ→



〔その3〕
このブログを書いているうちに、ひょんなことで、ブライアン・イーノがマイクロソフトのウインドウズ95の起動時のミュージック(3秒ちょっとのごく短いフレーズ)を作曲していることを知った。
いやと言うほど聴いたはずなのに、どんな音楽だったか思い出せない。イーノが書いたことを知った上で聞いていたなら、「ありがたや...」ということで、きっと忘れなかったろう。
なお、現行最新版ウインドウズ「ビスタ」の起動ミュージックは、キング・クリムゾンのロバート・フリップが作ったことは、このブログでも既に取り上げた。

『参考』ブライアン・イーノ関係 過去の記事
①ブライアン・イーノのビデオ・アート作品を見る・・・液晶絵画展にて(こちら→)
②テレビは21世紀後半の絵画と考えられないだろうか?・・・ブライアン・イーノ(こちら→)
③ブライアン・イーノ…環境音楽から光のアートへ(こちら→)

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2008年12月 2日 (火)

菊地成孔の〝記憶喪失学〟...ジャズ+ポピュラー音楽+現代音楽で映画に呪われた音楽を!

久しぶりに音楽のことを書こう。
先週、菊地成孔の〝記憶喪失学〟というCDを衝動買いしてしまった。この奇妙なタイトルと、ジャケットの「ゴーギャンの求めた楽園」のような絵に強烈に惹かれて!

ジャズは好きだが、新しい物は、特に日本のジャズはあまり聞いていない。菊地成孔と言えば、アヴァンギャルドなジャズを思い浮かべてしまい、私としては触手が伸びなかった。
一方、彼は著作活動も熱心で、ジャズの歴史を東大で講義した「東京大学のアルバート・アイラー」はなかなか良かった。だから彼の音楽活動にもすごく関心はあった。

菊地成孔はこれまでも、いろんな形で演奏活動を行ってきたが、この作品は〝ぺぺ・トルメント・アスカラール〟名義で、弦楽四重奏を組入れた編成である。「現代音楽とラテンラウンジを繋ぐストレンジ・オーケストラ」などと、紹介されているようだ。
このCDの帯封には、「優雅で憂鬱で未来的な...」と言う形容詞も付されているから、音楽の傾向についてある程度想像がつく。実際に聞いてみてその期待を裏切らなかった。というより、私の好みに合う音楽だった。現代音楽的要素は適度に控えめで、むしろいろいろなポピュラー音楽の要素がたっぷりでとても聞きやすかった。
菊地はサックスはもちろん、鍵盤楽器やヴォーカル(1曲だけ)までやっている。女声と紛うばかりの、なんとも〝たおやかな〟声なんですね。

さて、問題はこのタイトル。何故「記憶喪失」なのか?
さらに、このCDの内容について「映画に呪われた非映画音楽」との難解な紹介がなされている。
ライナー・ノートは菊地本人が書いていて、その辺のところにも触れている。

彼は子供の頃、ある映画館に出入り自由、見たい放題見れる環境にあったらしい。シネマ・パラダイスのあの少年のようにだ。その頃のことだが奇妙な体験をしたという。映画を見たにもかかわらず、その内容についてまったく記憶がないのだ。そんな体験...彼は「症状」と言っているが...を音楽化することで保存したかった...。
したがって、CDの楽曲には映画音楽(あるいはそれらしき)のタイトルが並ぶ。
しかし、ニーノ・ロータ作曲の〝8 ½〟など本来の姿のもあるが、ほとんどが菊地やメンバーの作曲したものである。この曲のラインナップについて、菊地は次のように述べている。

『映画の呪いとしての音楽を、或いは映画の呪いから解き放たれた音楽を、その憂鬱なまでの美しさを、どうか存分に堪能していただきたい。そして聴き終えた後、一体どれだけ記憶しているか、美しい単純なメロディーを、どれだけ口ずさめるか、記憶の喪失や不全を、そしてその逆転現象として予想される、抑圧していた記憶との悪夢的で甘美な再会を存分に楽しんで頂きたい。』

このCDをまったく予備知識なしに聴いたらどう感じるか?
写真のキャプションと同じで、制作コンセプトを知って聴いた方がより一層、楽しめるでしょう。いずれにしても、これはなかなかの音楽だと思います。

12 
〝記憶喪失学〟
 菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
 (10/2008)

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2008年2月14日 (木)

〝ロック+クラシック+カンツォーネ=イタリアン・プログレッシブロック!〟

イタリアのプログレッシブ・ロックに魅入られてしまって、かれこれ7~8年になる。
気がついたら、CDラックのかなりのスペースを占有している。
中学生の頃から長年にわたり無定見に音楽を聴き続けて来たのだが、その蓄積が自分のDNAと相まって、そういう嗜好が造り上げられたのでしょう。

どこがそんなに心に響くのか?
プログレッシブ・ロック全般が好きなのだが、とりわけイタリアのものがいいという理由を改めて考えてみると、「クラシックの味付けが色濃い」ということだろうと思う。多分、イタリア人のプレーヤー達がそれぞれ、クラシックの素養を持っているのじゃなかろうか。それに加えてイタリア人本来の歌心(情熱)が曲作りに作用しているのでは?と勝手に思っている。
〝ロック+クラシック+カンツォーネ=イタリアン・プログレッシブロック〟

当然ながら、ヴォーカルはイタリア語だから、カンツォーネを彷彿とさせてしまうのです。
興味のある方は、例えば、次のようなCDアルバムを是非聴いてみてください。

『P.F.M./幻の映像』(P.F.M.=Premiata Forneria Marconi)
1枚だけ選ぶとすればこれだろう。こんなに美しく上品なロックがあろうとは。
CD付随のライナー・ノートによれば・・・「PFMの音楽は文章で表現することは難しい。ただ、ひとつ言えることは、だらだら続く幻想耽美ではなく、非常に変幻自在だ。不思議なサウンドとリフレインの呪術性を持ち、美しい部分はあくまでもクラシカルであり、アグレッシブな部分は決して他のロック・バンドにひけをとらず、おまけに現代音楽の実験も巧みに採り入れている」
Photo



『ニュー・トロルス/コンチェルト・グロッソNo.1 No.2』
2006年4月に来日公演を行った時に見に行ったが、その時の模様は以前のブログでも書いた。
コンチェルト・グロッソ=合奏協奏曲は弦楽器群と三つ以上の独奏楽器との協調による音楽である。独奏楽器を一つとしたのが今日の協奏曲で、その古い形である。ニュー・トロルスの場合は、フルートをリード楽器としたロック・バンドと弦楽器群の協奏である。
難しいことは抜きにして、とにかく美しい音楽だ。たかが!?ロックグループがこんなものを作れるなんて、感心してしまう。
加えて、No.1のヴォーカルの歌詞はシェークスピアのハムレットから引用していて、いやがうえにも心に響くのだ。
To die /To sleep/ Maybe To dream...
2007年には、新たにコンチェルト・グロッソNo.3 を作曲して再来日したと聞いているが、どんな曲なのだろうか、とても興味がある。
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左はスタジオ録音盤。ジャケットはシェークスピア「ハムレット」の舞台。
右はライブ盤。



『バンコ/ダーウイン』(Banco Del Mutuo Soccorso =共済銀行)
アヴァンギャルドな一枚。クラシックとジャズの両方の方法論がうまく採り入れられている。
そもそも、ダーウインの進化論をベースにした壮大なコンセプト・アルバムということで、少々難解なところがあるが、余り穿鑿せずに凝った曲造りを楽しめばよいと思う。
ライナーノートによれば、97年の来日公演のアンコールでこのアルバムの5曲目「75万年前の愛」が演奏されたが、涙ぐむ聴衆が多く見られたという。美声のヴォーカリスト(実物は見ない方がよい)ジャコモが切々と歌っている。
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『レ・オルメ/フェローナとソローナの伝説』
レ・オルメはキーボードを主体とした叙情派プレグレ・バンドである。このアルバムは彼らの特徴をもっともよく表していると思う。
神秘的、呪術的(ないし異教的)、古典悲劇的というような言葉がふさわしいアルバムで、憂いのある美しいヴォーカルと、たおやかで少し翳りのあるサウンドのバンド演奏が全編を覆い尽くしている。
こういう曲を聴くとイタリア語の響きの良さを改めて感じる。
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『イル・パエーゼ・デイ・バロッキ/子供達の国』  
こんなアルバムがあることをごく最近知った。
アマゾンのカスタマー・レビューを見ると、25年ぐらい前にアナログ盤が数万円で取引されていたという。発売当時まったく話題にならなかったが、その後すごい演奏をしているバンドがあると口コミで伝わっていったらしい。
クラシック音楽をベースにしたシンフォニックなアルバムであるが、内省的な作品作りがなされている。場面に応じて多彩に音色を変えるギターとオルガンのマッチングが絶妙。静けさと激しさ、理知と狂おしさが同居していて、とてもユニークな音楽だ。
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きりがないからここらでやめるけれど、イタリアはプログレッシブ・ロックの宝庫だ。
クラシックに疲れた人、クラシックから少し冒険したい人にお勧めします。

★☆☆★

2月14日から三重県立美術館にて、「液晶絵画展」が開催されている。日本、欧米、中国の作家14人の映像表現作品の展示がなされるが、その中に、環境音楽のブライアン・イーノも名を連ねている。ちょっと遠いが、必ず見てきて報告しましょう。

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